関東走り納め(前編)



いつのツーリングか荷物によって見分けがつかない。




とりあえず守谷で休憩してみる。


今日が春の晴れの日じゃあないってことは、常磐道に黄色い横風がないことでわかる。今日は冬の晴れなのだ。

lune

4年経った。るねきちに会ったのは1度だけ。今回も無事に帰らねば。


ここも何も変わっていない。



つくば〜九十九里

結局準備不足でろくにルートも決まってない。ただ、北茨城まで行くと単調なだけでかなり骨が折れるなってことで、とりあえず房総を目指すことにした。適当に南東を向かって走る。この辺は県道とかが縦横に走っているので、何も考えなくてもそう遠回りにはならない。

途中、昔から噂だけは聞いていた牛久の大仏が見えた。


でけぇ


美浦のトレセンなんかの横を通って、利根川沿いに出る。R51で千葉に入り、八日市場方面へ向かう。
既に昼は過ぎていて、猛烈に腹が減った。何喰ってもいいんだけど、ラーメンとかうまそうな場所じゃないし、蕎麦饂飩の地でもない。やっぱり海のもの喰いたいなと、先を急ぎ、八日市場に着いた。ここは2年半前出張で1週間滞在したので土地感がちょっとだけある。でもメシ喰うのに魅力的なとこじゃあない。

ようやく九十九里に辿り着き、南下を始めると、まあそれなりの店を発見。


定食と焼き蛤を喰っとく。



九十九里〜館山

かなり距離がある。千葉は広い。
この時期、結構車が出ていて、R128は流れているようであまり先に進まない。
しかも猛烈に寒い。風が強く海は結構荒れていて、サーファーがちらほら見える。このクソ寒い中、馬鹿じゃないか?と思うのは、多分端から見たわしらも同じこと。

は〜い。馬っ鹿で〜す。

だってたのしーんだもん。ほっといてくれ。

日も傾き始め、今日の最終目的地をどこにするかも考えなくちゃならない。
まともな民宿とかに泊まるなら、明るいうちに着ける範囲しかない。そうすると館山辺りが限界そうだ。
でも、この時点でわしは既に房総の魅力を感じなくなっていた。もはや1周するだけが目的で、その先で+αを楽しむ気は失せてしまっていた。蛤も食べちゃったし。

今日中に東京湾を渡って、明日の伊豆に賭けよう。

この決断が正しかったかどうかはわからん。でも、結果これで結構はまった。
フェリーのある時間に金谷に着かなきゃなんない。こういう時間に追われる走りはするもんじゃないね。でもそうなっちゃった。
房総の先っちょの州崎とか、行こうと思ってたけど、海沿いでも山でもない中途半端な生活道路化した房総の道にもうんざり。州崎から見える景色とかも想像できちゃうし。なにより寒い。

館山まで来りゃもういいやーって、そのまま館山を通過。何だかなあ。^^;

館山〜金谷

内房に回るとR127は大渋滞。春の観光シーズンで房総は関東では花形なのだが、アクアライン開通のためにこの一帯は日帰り圏内になってしまっているのだ。

アクアラインはできたものの、その先の受け皿は昔と変わらない。
R127にはトンネルが結構あるが、どうも狭くて大型観光バスはすれ違えないようだ。道幅は辛うじて足りているが上の角が丸くなってるトンネルの壁に当たってしまうサイズみたいだ。
狭い内房の道ではパバイクもすり抜けられず、ましてやパニア付きのGTS。
寒さで手がかじかんで感覚がほとんど無い上に半クラしっぱなし。
初めてGTSのクソ重いクラッチを怨んだ

グリップヒーター

悪魔の囁きが聞こえる。
ああグリップヒーターがあったら、今日みたいな状況はほとんど苦にならないんじゃないかなぁ。
でもなあ、わしの使い方でそこまでするかあ?
今度行くのは九州だし、でも町の中心部だからバイク通勤にもならないだろうしなあ。
なんだかんだ言っていまいち付ける気にはならないのだった。

道端に何も無い区間を耐え、ようやく一軒のコンビニが現れた。迷わずピットイン。トイレを借り、しばし暖を取る。
こういう時買うのは缶コーヒー。が定番なんだが、

コーヒー飲んだらトイレ行きたくなるよなあ。

んで肉まんを買う。
散々手を暖めて、冷たくなった肉まんを喰う。店内で喰うのは顰蹙なので、喰うときだけ外に出る。
一服したいなあ。でもここでたばこ吸うと余計血行が悪くなって寒さ倍増だなあ。と我慢。

割と空いていた店内だが、急に若者の束が出現して、トイレはあっという間に20人くらいの大行列になった。考えることはみな同じ。じゃあなんで今まで空いていたんだろう?

ってあんた(俺か)、
車の人たちは寒くないんだってば。

地図見て現在地を確認だ。でも店内で手持ちの地図を開くのはあまりよろしくなさげなので、コピー機のそばでこそこそやる。高崎の辺りらしい・・

そう、今回はGPS付きなのだ。しかし、

何の役にも立ちません

eTrexというやつ、単三2本で3V駆動なんだが、Ni-MH電池だと2.4V。通常ならこれでも半日くらいは持つはずなんだがー。この寒さでは電圧が上がらんらしい。すぐに電池切れをおこしてOFFになっちまいやがる。
他にも強い衝撃を受けるとOFFになるみたいだが、全開くれてやってそれなりの荒れたところを走ると細かい衝撃は結構ダイレクトに伝わるので、たまにそれでOFFになっちゃったりもしてるっぽい。

さらに、取りつけた位置ももうひとつで、インパネのニュートラルと燃料警告灯が隠れちまう。
ああ全然だめだあ。

さて、どうも体温が上がらない。
なんとかこの渋滞を迂回できないだろうか。早くなくても、せめて半クラの少ない走り方をしたい。
地図を良く見ると、さらに海側の生活道路(路地)でも、なんとか館山道が始まるあたりまでは行けそうに見える。
渋滞よりはマシだろう。行ってみるか。こういう時こそGPSに役に立って欲しかった。

既に日は落ちて真っ暗。街灯もろくに無い小道をうねうねと抜ける。こういう時に得てして立ちゴケするのだ。気を付けねばねば。

目印は前方の山と左側の明るい星(金星かな?)だけ。
できるだけ海が見えるところの方が方角がつかみやすいが、地形が入り組んでいて、下手に海に近づくと行き止まりになりそうだ。
道はアスファルトからコンクリートに変わり、左側は海。ガードレールは、無い。
波高く風強く、しぶきがかかる。道は荒れていて、もちろん濡れている。バイクが錆びそうだ。

むおおお

そのうち、また国道に出た。渋滞はなく、車はまばらになっている。やった。
どうやら鋸南富山ICより北に出れたらしい。
そこから金谷までは滞りなく到着。着いたのは18:45。急いでフェリーの切符を買うが18:50の便には乗れず。

ようやくのんびりと一服。久里浜から先のことを考える。


フェリーは空いてるようだ。



金谷〜久里浜

17:20の便に乗るバイクは2台。GTSと、もう一台は金沢区(横浜市)ナンバーのカブだ。
カッパとドカヘルに身を包んだカブのおやじが話し掛けてきた。

は、来ました来ました。いつものやつ。^^;

おやじ、別に驚くでもない。ほほう、そうくるか。まあ今時1000ccなんざ珍しくも無いからね。
「わしも昔乗ってた系おやじ」かな。

ほほう、お目が高いですな。一見してこのフロントの違いがわかるとは。

おやじはまたぱっとしない反応。笑うとこだぞ。
何が言いたいんだこのおやじは。

むむ、昔乗ってた系おやじだと普通はまず「水冷?」って聞くもんだぞ。
聞かれたことしか答えないのでは大人のコミュニケーションとしてあまりにもお粗末なので、取りあえずこっちからもちょっと聞いてみる。


やられた!BMWおやじ(現役)だ!

くそー、釣りおやじみたいだからわかんねーじゃねーかよ。
やべーなこりゃ話が長くなるぞ・・・

そこへ神の声。

「バイクの人、乗って。切符見せて。」

ふータスカッター。おやじのカブは一瞬で固定されておやじはデッキへ消えた。GTSは少々固定に手間取り、わしはそのままトンズラ。

出港前から船は良く揺れる。そういえばこんな波の高い日に乗ったこと無いのう。
40分後。何事もなく久里浜着。おやじとは軽く挨拶してお別れ。お気を付けてー。

久里浜〜二宮

明日、伊豆を回りたいのでできるだけ駒を進めておきたい。何も無い神奈川県中部には用はない。
まあ神奈川県内で簡単に泊まれるところなんて選択の余地無いんだが、いつもなら家から近いので使うことの無い二宮の健康ランドに行っておくことにしよう。

フェリーから出た車はみんな右へ曲がる中、左折。野比経由で三浦半島を横断しにかかる。

しまった!、フェリーの中でシールドを拭いておくんだった。

海岸の細道でしぶきをかぶっているのでシールドがベトベトのままだった。止る気も起きないので、袖でこすって最低限の視界を確保。

花粉症対策でメットの下にマスクをしているのだが、マスクがずれやすいのでメット脱いだりするのが極度に面倒くさいのだ。
あとわしが止まるの嫌いなのは、止まると車に抜かれるから。車に抜かれるだけなら全然構わないんだけど、その車はみんなわしがそれまでに抜いてきた車。また動き出したら、結局また抜くことになるのだ。
同じバイクに何度も抜かれるのは鬱陶しいし、抜く方も嫌な気分だからだ。気にしなきゃいいんだけどね。

通研通りというのを通った。右にNTTの研究所がある。3193さんの職場かな。

そのまま湘南海岸を駆け抜ける。対向車線は大渋滞。ざまみれ。こっちはかなり快調なペース。適度に信号にかかり、その度に車をパスできる。特別このへんの道に詳しいわけじゃないけど、勝手知ったる道は走りやすい。西湘バイパスには乗らずに、二宮の町へ。
晩飯にすき屋。やすい。

密かに健康ランドの場所を知らなかったのでここで調べにかかる。近くのはずだから店員にでも聞きゃ済む話なのでここまでする必然性は全くないんだが、SDRに携帯繋いで検索。わしってキマってる?
こういうのって変な奴にしか見えないんだよね。

「健康ランド 二宮」でぽちっとなしたら、www.suzuka.org/miso/とかが高いところでヒットした。^^;
まあ場所もわかり、行ってみた。族車っぽいのが街にちらほらいる。久しぶりに警報機を仕掛けた。

なんか中学生の部活後みたいな集団がいる。風呂の入り方なんて今時教わる子供なんていないんだろうな。それにしても、湯の出てるシャワーを下に置くかな。湯があちこちに飛び散っている。わしにも容赦なくかかる。かなりむかついたが、切れるに至らず。

持ち込みはできないけど、中で売ってるものも充実しててボッてないので、結構好感が持てるところだね。ビールなどかっくらってお休みなさい。

終末にこういうところに泊まるおっさんおばさんは一体何なんだろう?
思いっきり地元っぽいのに。

ITOH Osamu/ Sachi/ Guest Book/ 036@itoh.gentei.org