苦情対応

就業時間後に電話が鳴った。取ったらいきなり怒鳴りつけられた。

たばこの値上げに関する苦情らしい。
何をやってるんだお前らはと言われてもねえ。

第一ここは原料調達部門の前線現場事務所ですよ?
まそれは会社の看板掲げて事業所興してる以上仕方ないとして、わしの他に誰もいません。
マニュアル通りなら総務にまわすんだろうけど、わししかいないんじゃこの場は会社背負って対応するしかないじゃないの。

普通の工業製品では値上げがニュースになっただけでメーカーに怒鳴り込む人いないよね。
でもそれが当たり前でもないけどのように起こっちゃうというのがたばこのたばこたる所以なんだろか。

筋道立てて疑問にすべてお答えするのは可能なんだけど、相手の目的は説明を受けて納得したいんじゃない。怒鳴り散らして一方的に相手をなんとかしたいだけなので、ヘタに言いくるめても結果的に逆効果だったりするし。
専売制の歴史から会社化への経緯、法律による製造独占と原料の契約制全量購買、増税の背景まで複雑に関連した事象なのでよほど興味がない人じゃないと理解できんしね。

過去にはたばこの被害者を自称するキ○ガイがある事業所に殴り込んで社員が殺されるなんて事件もあったのだ。
逆ギレされたりすると厄介。対応には神経を遣う。

通常のクレームなら名前と連絡先でも聞いて折り返すべき所だけど当然相手は名乗らないし。
反喫相手ならある程度必要に応じた反論とか、また対応も変わってくるけど、この人は「自分は○○だが、たばこだけは辞めない」というお客様だし。
仕方なく要領を得ない演説を聞き続けた。

我社に求める点は2つ。うち1つは筋違い。
いちいち脱線して、身の上話のような自慢話を聞かされる。
過剰な反応せず淡々と聞き続ける。ちょっとお人好し過ぎる対応ではあるが・・。

最初は心臓バクバクで椅子に正座して冷汗もんだったけど、しまいにゃ丁重に相槌打ちながらもふんぞり返ってタバコ吸ってるような。
なんて書いてるの本人に見られたらやばいな。

結局最後まで名は名乗らなかったけど、わしの聞き上手についつい口が滑って、身の上話から相手の特定可能な程の情報わかっちゃったけど。
50分以も演説してたよ。
素人が50分も最初の剣幕を維持できる訳もなく、最後は当人も自分について喋りすぎてヤバイと思ったのか、

「長々と済まなかったね」

とかのたまって切った。

なんだかなあ。



その直後にまた電話。
通常なら電話なんか鳴る時間じゃないんだけど。

びくぅ!

電話に出る前に番号表示控えたりして。おそるおそる電話に出ると、

「農産園芸課の○○ですが・・」

県庁からでした。
びっくりさせるなよー。

ITOH Osamu/ Sachi/ Guest Book/ 036@itoh.gentei.org