褒める

仕事柄、あちこちの農家に電話をしたりします。
家に居る時間帯を狙うので、昼休みか日没後になるのですが、それでも必ずしも 大人が出るとは限りません。
耳の遠い、方言のキツい御老体が出ることもしばしば。
そして、夏休みなので子供が出ることも多くなります。

推定高校生くらいの子が出てもロクな受け答えがされないことが多くてお話にな らないのですが、それでも中にはしっかりしたお子さんも、もちろん居ますね。


どう聞いても小学校に上がるか上がらないかくらいの女の子の声がしました。
もちろん、用件を伝えるようなことはできないわけですが、それでも「お父さん はいません」「わかりません」「お母さんがいます」等々、必要なことを的確に ハキハキと答えてくれる子でした。

電話の向こうで「おかーさーん、たばこやさんからー」と呼ぶ声が聞こえます。 おおーちゃんと伝えられてるじゃないの。すばらし。


そういえば、わしも小さかった頃から電話の出方では先方様に褒められたことが 多かった気がします。
こういうのって、褒められると嬉しいんですよね。
自信も付くし、もっと良くしようと色々考えるようになります。そうやって社会 性が育っていくのです。


お母さんに代わってもらった後、精一杯褒めておきました。
6歳だそうです。



一方で、自分もこんな歳になったんだなと、一抹の感慨のようなものも湧きます な。



しかしアレです。

「しっかりしたお嬢さんですね!」

と言ったものの、もし男の子だったらどうしよう?!


まいっか。



ITOH Osamu/ Sachi/ Guest Book/ 036@itoh.gentei.org