悪夢

南九州のどこか、広々した高速道路のパーキングで休んでいる。懐かしい光景。
1台の赤いバイクが颯爽とパーキングから本線へ駆け出して行った。一目でわかるFerrariの新型だ。
少し後をわしも愛機GTSで本線へ進入していった。見通しが良く、本線は緩く左へカーブする僅かに上り坂、と、その時


200m程先行するFerrariがWet路面でハイサイド!

ライダーが宙を舞い、その下でバイクは激しくもんどり打ってる。
後続の大型トラックがライダーを轢いた!


やっちまった!


戦慄が走る。

落下したライダーは、追い越し車線上にありえない体勢で横たわっている。

直ぐにバイクを路肩に止め携帯を取り出す。ざっと非常電話を探すが視界の範囲に無い。
発信ボタンを押してから110番押している。逆だよ。慌てている自分を自覚。


「はい110番です」

「交通事故です、場所は・・・」


キロポストが無い。何故だ?でも大丈夫、JCTで合流して割と間も無いところだった。ここは東九州道、??なわけないな?宮崎県内じゃないし、九州道?宮崎道でもない?


ここは一体何処なんだ??


見覚えのある風景、えびのから加久藤トンネルへ向かう辺りのような雰囲気だけど、何か違うんだ。
一気に緊張が高まる。伝えなければいけないことは沢山あるし、早く済ませてライダーの救出に行かなきゃいけない。でも進まない!


うわぁぁ


という所で目が覚めた。途中から違和感があって、ハッと目が覚めて「夢かー」と胸をなでおろす感覚ではなく、何となく夢だと気付いてシームレスに現実とオーバーラップするような目の覚め方。
実際に心臓はバクバクである。一部始終をはっきり覚えたまま。これがまた後味が悪い。

夢ではうまくできなかったけど、現実にこういう場面ではどう対処するのがベストだったんだろう?とそのまま天井を眺めながら考える。依然として鼓動は早く、そのまま直ぐに二度寝できるような心境ではない。かといって起きるには早いか・・
少なくとも実際には高速道路上では現在位置がわからないということは無いんだよな・・それに非常電話も必ずある。今回のようなパニックに陥ることは無くて済みそうだ。やれやれ。位置を伝えて、一人瀕死であること、救急車の手配も頼むこと、絡んだ深緑色の大型トラック(銀色無地のアルミバン)が逃走したこと、大体そのくらい伝えておけば大丈夫かな。
次に、その後どう行動するか。交通はまばらで、本線のスピードは速い。自分が轢かれずに追い越し車線上のライダーを救出できるか?どうやって後続の車に知らせるか?
そうだ、まずは後続車を停めて発炎筒を頂こう。何本か手に入れば本線の流れは制御できるだろう。

あとは救急車到着までのライダーへの応急処置か。多分何もできないな。状況を確認しつつ119番辺りと連絡取りながら必要な処置をするのが精一杯か。
それにしても二次災害だけは避けなければならない・・・。

などと考えているうちに結局また寝てしまった。


それにしても、Ferrariのバイクって一体何なんだ?
盛岡で雪と氷に閉ざされ、タイヤ坊主で車検切れという現状のなかで見たシュールだけどリアルなこの夢はどういう潜在意識から来たのかな。



時代の流れ

最近のスキー道具って地味なのね。
気合入ったやつって全然無い。デザイン不在です。
気合入れて遊ぶっていう文化が今時はないのかな。


それともやっぱり単にわしのセンスが時代遅れ?
さもありなん・・・



ITOH Osamu/ Sachi/ Guest Book/ 036@itoh.gentei.org