魚毛ケ山奇

さあ、意味がわかるかな? 「とどヶ崎」という先っちょですよ。「とど」の字が「魚毛」で第二水準にはあるけどネット的に使用できない。

ではその「とどヶ崎」ってどこや?

あれですよ。懸案だった本州最東端!
遂に行ってきました。


「とどヶ崎」は宮古からちょっとだけ南下したところの沿岸(当たり前)なんですが、想像を絶する遠さでした。
大体宮古が、妙に行きにくいんですよ。盛岡からR106一本で90km。約1時間半の行程で、別に道が悪いわけでもなく、特に遠回りするわけでもなく、混雑するわけでもなく、普通に流れて普通に大体1時間半で着くんですが、何か無性に疲れるんです。
単調すぎるんでしょうか。つまんない。一度通ったらしばらくはもういい、てな道です。R106をGTSで全線走ったのも密かに今日が初めてなんですが、過去何度か車で通ってそのたびに「もういい。」って思っていたのが、今日までバイクで宮古に行かなかった最大の原因です。

宮古から「とどヶ崎」へは直線だと10kmも無いんです。多めに見積もって盛岡から2時間半。これはまずそんな具合で辿り着きました。でもいっぱいいっぱいです。重茂(おもえ)半島を通る県道41号はGWにMiniで通って、それなりの難所(道はそんなに悪くないけど、走っても走っても前に進まない)だという認識はありました。GTSで行ってもその通りで、本当に宮古から「とどヶ崎」の麓?の姉吉(あねよし)漁港まで1時間くらいかかっちゃいます。そして、



漁港にバイクを駐めたら、



山道へ突入。



20マップルにも確かに「灯台まで徒歩4km」って書いてあるんです。でも地図上では2kmくらいにしか見えないので、勝手に「往復で4kmかな」と解釈して臨んでました。そうは言っても徒歩じゃないと行けないような道の2kmにしろ4kmにしろ、相当なもんであることは火を見るより明らかですので、革ジャンもなにもかもパニアに突っ込んで、かなり身軽で行きましたよ。ええ。
そのためにパニア付けてったようなもんです今日は。(あと、帰りにドラッグストアに寄りたかったのでね。)


結局姉吉漁港から灯台までは片道3.8kmの山道。かなりのアップダウンがあります。大きく2山越える感じですかね。しかも海岸でありながらあまり見晴らしが開けることも無く、結構キツイです。余程運がよければ松茸でも見つけられるかもしれませんが、採ったら違法かもしれません。
歩くこと1時間チョイ。



東北一高いらしい灯台に到着。



別に、他のに比べて特別でけーとかいう感想を抱くような代物ではござあせん。でも白くて綺麗。
この4kmの山道に阻まれるのか、休日でも人気は無く、それはそれで果てっぽい所の独占感があります。トイレと東屋があります。東屋は綺麗で、柱に落書帳がつけてありました。その記録を見ると、すべての到達者が記帳しているとすれば(んなわけない)、本日の来訪者はわしらで3組目じゃ。姉吉漁港ですれ違った八戸ナンバーのBanditには様子を聞こうとして無視されてしまったけど、タイムスタンプを見るとちゃんとすれ違う1時間前くらいにここに来ているようです。
わしも簡単に記録を残しました。

結構いいとこですよ。トレッキングとか苦にならない人なら。
苦になる人には絶対お奨めしません。



灯台の手前から分岐して120mで、「最東端の碑」があります。



漁港に着いたのが14:00頃。灯台と碑の辺りで15:00過ぎ〜16:00頃までうだうだしてしまったので、これだと漁港に戻ったら17:00じゃないですか。
ちゃっちゃと巡ったらもしかして17:00過ぎには家に帰れる?とか思っていたのにとんでもありません。

しかも、遅い朝飯食べてから出かけて、途中何も食べてないんですよ。山道で完全にガス欠(わし自身が)です。腹減ってプルプルしてきます。
本当に、ここへ来るには、弁当水筒持参で来るべきです。灯台の東屋はとても爽快ですから。
三陸の沿岸は、道は入江の奥をずっと走るので、海は見えても見渡す限りの海なんていうところはありません。必ず向う岸があって、目前の海は筏だらけの養殖場てな感じで。そんな中、ここまで来ると180度以上の海の展望で、沖合いには結構船が往来しているのが見えます。灯台からもいいですが、碑の辺りも岩場でそこそこ断崖で、結構良いんです。是非弁当もって(以下略)


帰り道、ようやく、まもなく姉吉漁港というところで、一人の若い青年とすれ違いました。これから灯台を目指すようです。「あとどのくらい?」と言う問いに、「3.3km、片道1時間よ。がんばれ」と答えたものの、結構後悔しています。
その時もう16:30を回った頃で、それから往復2時間は絶対日が持たないんです。17:30にもなれば足元が見えません。見たところ彼は手ぶらでしたし、ちゃんと忠告しておくんだった・・。
慎重に歩けばそう危険は無い道とは思うけど、山で日没は経験が無い人では途方に暮れてしまいます。恐怖ですよ。
まず滅多なことにはならないとは思いますが、無事であることを祈ります。


そんなこんなで、またR106を戻って20:00前に盛岡着。
とりあえず目標は達成したので、満足っす。



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