24 Heures du Mans(1日目)

いきなり危機

そしてルマン行きの日がやってきました。
5時起床、トラムの時間は5:34。7:30発の飛行機ですが、空港までは30分チョイ で着くし、e-ticketに最終チェックイン6:50て書いてあるから大ジョブじゃろ。 てんで結構余裕ぶっこいて出発。
予定通り6:00過ぎにはジュネーブの空港について早速チェックインを試みます。
カウンターの大行列を尻目に、いっぱい並んでいる自動チェックイン機に直行。


お客様の搭乗便の情報がありません。地上係員にお問い合わせくだ さい。
(的なメッセージ)



おいおい、便が無いってどういうことよ。
モニタで搭乗便出発情報を確認します。LX4600、7:30出発。ちゃんとあるじゃねー か。てことはこの大行列に並べと?
何か書いてある。チェックインゲートはF1-4ですって(他の便は殆ど72-84みた いに書いてある)。Fxxなんてとこ無いじゃないか。

エールフランス運航のスイスエアコードシェア便なので、Swissの予約カウンター みたいなとこ行って聞いてみました。「この便のチェックインは何処?」「ああ コレね。Swiss便だからソコよ。」て、大行列のカウンターを教えてくれました。
チクショー結局これに並べと。
この時点で既に6:20を回っています。なんか嫌な予感。とりあえずは並んで..、
そういえば昨日来た「前日ですよ」メールにwebチェックインというのがありま した。前日からできるっていう。もしかしてコレ使えないかなとiphoneを取り出 し(電話の契約入ってないのでタダのipod touchですが)アクセス!ジュネーブ の空港なら1時間無料でwi-fi使えます。ブラウザを開くと電話番号を入れるとこ ろが出てくるので入力すると(スイスの)携帯にsmsでpasswordが飛んできて、 次の画面にそいつを打ち込むとその後普通に無線LANが使えるのです。
よっしゃー、ウェブチェックイン。番号を入力。あれ?入力しようとキーボード を起こすと勝手に入力完了になってエラー。これの繰り返し。がー!何で動かん のじゃ!
但し書きには前日から搭乗1時間前までとか書いてある。そもそも手遅れ?
くそー使えん!

カウンターの数はたくさんあるのに人がいて稼働しているカウンターは3つくら い。恐ろしく進行がノロいのです。あっという間に6:50です。

ちょっと離れたところにある「フランス行きはこっち」という表示が気になりま すが列の真ん中で抜けるも人に聞くもできず、このペースだとカウンターにたど り着く頃には出発時刻になっちまう。ここで並んでたら100%アウトだ。別の手を 考えないと!

たまにアナウンスが流れます。喧噪のなかでわしの拙い英語力で、フランス語と 英語のアナウンスから必要な情報を聞き分けるのは殆ど無理なのですが、それで もチェックイン締切時刻になると「ロンドン行きまだの方は90番へどうぞ」みた いなことを言っているっポイです。もう7:00過ぎちゃいましたよ。パリ行きも同 じことが流れてたとすれば10分前には放送されていたはず。トランクだけ列に残 して「ぱーどん」と前後の客に声をかけ、とりあえず90番へダッシュ。列に割り 込んでおっちゃんに突撃。

「この便てまだ乗れる?」
「ああ、パリ行き。それならあっちだよ。」



ナヌー!
やっぱり「フランス行きはあっち」の方が正しかったんだ!
あのSwissのカウンターに居た女ウソ教えやがって!!

「あっち」の先にFxxのカウンターは別にあったんだやっぱり!

列に戻ってトランクを引きずりだし、Fの方へダッシュ。
自動ドアと無人の出国ゲートみたいなとことを通過し、通路をぐんぐん進むとあ りました。別室になっていてFカウンター。ここかー!

幸い、カウンターに並んでる人は居ません。お姉ちゃんに突撃。


「もう遅い?」



何とか大丈夫らしく、にこやかにチェックインしてくれました。トランクもドロッ プ。「違うゲート行っちゃってさあ」みたいな言い訳しながら無事通過です。搭 乗開始7:05で。現在7:10。ここまで通過すれば乗るのは大丈夫すな。免税店でタ バコ買いたかったけど(Silk Cutは市内では買えないのです)、そのまま搭乗ゲー トへ行って無事搭乗。

そして飛行機は定刻7:30に離陸しました。
前途多難なり。


エールフランス

初めて乗るエールフランス便です。(Swissエアで予約したのは、Swissならスター アライアンスのマイルが付くからというケチな理由です)

や、エールフランス、いいわ。
機材はA321。初めて乗る機材です。320より2回りくらいでかい。
シートも良くて、(ルフトとかビジネスの革シートでもボロい。)、それより何 が良いって、CA(←って言い方は日本だけという噂。一般的にはキャビンクルーっ て言う方がいいのかな?)の立ち居振る舞いが洗練されてます。
日系キャリヤのCAはもちろん日本クオリティのサービスでそれはそれで素晴らし いのだけど、妙にマニュアル的なわざとらしさが鼻に突くという人もいますね。 私は嫌いじゃないですが。フランス人じゃないからそういうわざとらしさがある のかどうかわかりませんが、物腰が柔らかく自然体でとても良い感じでした。
何しろ、乗り込んで通路を後ろの方へ歩いて行ってすれ違う時の挨拶一発で結構 参っちまいましたよ。「ボンジュール」の響きの綺麗なコト!
多分とっても正しいフランス語な人たちなんでしょう。

わしの経験値なんか無いに等しいくらい少ないのですが、ルフトハンザやルクセ ンブルグ航空のCAはやっぱり武骨で、や、サービスもちゃんとやるし丁寧で感じ も良かったのですが、基本「保安要員として頼りになるオバチャン(お兄ちゃん)」 という感じで何が足りない?って言われると何もないのですけど何か違うんです よね。武闘系というか。

(米系航空会社はもう論外です。別にそれ以上も求めないですが、ビジネスで乗っ ても貨物になった気分ですよ。人のエサを貰って力仕事で運ばれるような。
ああ大雑把な国アメリカ。)


そして、早朝便でパンと飲み物のサービスがありましたがたかがクロワッサン一 個ですけど美味かった!
なんか幸せな1時間でございました。

CAの男性一人、髪の豊かな酒井敏也みたいでちょっとウケました。失礼!


シャルル・ド・ゴール空港

各地のハブ空港に着くと、そこを本拠地とするナショナルフラッグキャリアが幅 を利かせていて、とてもアウェー感がありますね。



エールフランス機がずらっと並んでいる と
「フランス来たなあ」って思わせてくれます。


詐欺

多分、やられました。
海外行くと、物乞いが多いことはご存じと思いますが。
シャルル・ド・ゴールの第2ターミナルF(端の方)に到着し、レンタカーカウン ターのあるC、D方面へ向かっていたら、なんか紙を持った少女(高校生〜大学生 くらい)が接近。複数居ます。紙を見せて「何処へ行くんだ」と。案内してくれ るボランティアのようですが、耳が聞こえないらしく、喋りません。紙に書いて あるABCDとかを指すだけ。いやレンタカーだから、と言うと、じゃああっちだと 指さし、署名と寄付金額みたいなリストを見せられて結局名前書いて20ユーロ取 られました。アホか!

別に単に寄付するのはやぶさかではないのですが、あんたソレ、嘘じゃないの?
ホントだったら申し訳ないけど、障碍者の芝居して金取ってる物乞いだろ。アジ ア人だから引っかかると思って寄ってきたんだろ。引っかかったけど!


AVISレンタカー

航空券とセットで予約しておいたレンタカーのカウンターへ到着。ターミナルの 連絡通路ど真ん中にあるので、受付だけでよくあるバスで営業所まで連れてって くれるタイプかと思っていたら、ターミナルビルの隙間の駐車場でちゃんと営業 してました。ひええ。
ある意味わかりやすいけど、帰りにここまで自走して返すのちょっと嫌だな。

まずはカウンターで、予約の控えとパスポート、スイスの免許証を出して「ボン ジュール!ジュマペル、イトー」「I have a resavation.」とか言って外人が頑 張ってる感を醸し出します。前に並んでる外人達は手続きにずいぶん時間がかかっ ていましたが、わしのは結構あっちゅう間に完了。「保険フルカバーお付けしま すか」「イエスプリーズ」くらいなもんで。予約してないといろいろ時間かかる んでしょうなあ。

予約していた車は一番ショボイグレードのコンパクトなマニュアル車。
受付のお姉ちゃんが「オートマに乗る?」とか言います。「どっちでもいいよ」 と答えると、そういう答えを期待してるようではありません。「同じ値段だけど。 オートマ乗る?」ははん、予約グレードが足りないんじゃろ。いいよ。不案内な 街で多少でも余裕が増えるならその方がこちらも助かります。
「トヨタのオーリスハイブリッドだけど良い?」へえ、そんなのあるんだ。いい ですよザッツファイン、トレビヤン。
シトロエンとかオペルの小っちゃいのの予定だったので、オーリスなら一回りデ カくて中で寝るにも都合がよろしいです。勝手知ったる日本車と言うのもこうい う時(余裕ゼロの無茶な旅)には好都合です。
そうでなければ、わざわざこんなとこまで来て日本車なんかのりたくねーよって ところですが。



そんなわけで、3日間の相棒はこいつになりました。



たかが2泊3日なのに100L超の馬鹿でかいトランクを持っているのは、車で寝るた めに毛布と枕なぞを持って来たからなのです。


そしてまたトヨタHYBRIDに四苦八苦

以前、プリウスを借りて発進できなかっ たというのが記憶に新しいところですが、またやっちまいました。

キーはポッケに入れておけばよくて、スタートボタンを押すんですな。その時ブ レーキを踏んでいないとダメなはず。
確かに、ただスタート押しただけだとACC-ON状態、ブレーキを踏んでスタートす るとちゃんとインパネが付きます、が、ギヤが入らない。何で? ブレーキ踏んでもギヤが入らない?あれれ?
今回は空ぶかしこそしませんでしたが、聞こうにもなあ、こっちのレンタカーシ ステムはキー貰って、「何番に駐まってるから」っていわれて放置プレーなので 店員も近くに居ないし。
なんかインパネにメッセージが出てますよ。フランス語で。
ONにして暫くするとメッセージは消えてしまいます。何回もON/OFFをしながらメッ セージを読み、辞書を引きます(EX-WORD with フランス語追加辞書がお出かけ の持ち物の必須アイテムです)。ほうほう、Pを押しながらSTARTを押さないとダ メだって。その通りやったらようやく緑で「READY」の表示が。
うーむ、安全のためのインターロックとはいえ、こういうシステムってどうなん だろうなあ。なんか安全便利の方向性が間違ってる気がしますよやっぱり。

そんなこんなでなんとか10:00に空港を後にします。


パリの洗礼

レンタカー駐車場から空港外へ出るだけでも一苦労。空港内の道路の構造がさっ ぱりわかりません。トミカパーキングのようにグルグルと同じところを回ってい る内に、ようやく出口がど分岐か理解できたようなできないような、何となく外 に出ていました。そのまま高速道路のような道に直結です。
あ、もちろんナビは使っていますよ。自前のNUVIです。日本語版にヨーロッパ地 図を追加しています。案内しろー!

ところがこの日本語版が曲者で、外国の地名の読み上げができないんですなあ! 読めないなら黙っててくれればいいのに、一生懸命一文字ずつ読みやがるもんで すから、


450m先、エー、アール、縦線、20、シー、パーセント、縦線、・・ ・・



何を言っているんだお前は。気でも違ったか!
フランス語の地名なので文字化けしていて、文字化けをそのまま文字単位で読む のでえらいことになっています。読上げの意味が解らないだけでなく矢鱈に時間 がかかります。


「・・・・右です!」



右かよ!
読んでる間に450m走っちゃったよ!

道は首都高よろしく車がいっぱい。急な車線変更なんてできませんてば!

NUVIが使えないとは言いませんが、海外で日本語版は使い物にならないことが良 くわかりました。発注している車にはちゃんとしたナビ付けといてよかった。
安く上げるならこっち版のポータブルを別に買うんだろうけど(それが一般的で、 純正ナビはブルジョワ仕様っぽい)窓に貼るやつだと操作するのに遠くなるし、 車上荒らし対策でいちいち外さなきゃなんないし、地下駐車場とか多いので純正 のジャイロ付きの方がいいし。値段は桁違いだけど、子連れでいちいち手間を惜 しむ身にはあって良いのでしょう。という判断。ああ脱線。


結局一度はナビの言うとおりに車線変更できず、ランプを降りて街中でUターン する羽目になりました。
小雨のぱらつく大渋滞のパリの街で初めて走るのにこの修行じゃあ。
いや、マニュアルじゃなくて良かったよほんとに!
マニュアル車も左ハンドルも右側通行もそれぞれ十分な経験はあるものの、初め てのパリの街でいきなりこの組み合わせ全部入りはやっぱりハードル高いです。
ひいー。

うしろからビュンビュンバイクが擦りぬけていくし、ほんとに都心、首都高と状 況は同じなのでまあポイントは押さえられますが、はやくパリ抜けろー!



なんていう状況もそれなりに織り込み済みでした。
通常ならわしのプランではこんなことになる「パリ経由」なんていうプランはし ないのですが、ルマンに行くにあたって、宿が取れない→車で寝る→レンタカー が確実に借りられる、朝イチでジュネーブを出発して、昼過ぎにルマンに着きた い←夕方のルマン市内でのパレードに間に合うように。など必要条件を組み合わ せるとこのプランしかなかったんですなあ。


フランスの高速道路

スイスの高速道路は有料ですが、GSとか郵便局とかで年間40CHFのチケットを買っ てフロントガラスに貼っておくシステム、料金所はありません。捕まったら即高 額罰金です。それに対して、フランスのは「有料だけど普通に料金所でも払える」 とだけ聞いていました。
空港からは高速直結でゲートらしいものは無かったし、どうなるんだろうなあと 思っていたら、パリの街を脱出した頃、料金所が出現。
さてどうなる?と思ったら、入口バリアで、チケットを取るだけでした。
東京と同じで、首都高と高速が直結していますが首都高部分はタダ。みたいなシ ステムです。
ETCに近いシステムもあるようで、ゲートが分かれているので、持たざる者は 「t」という表示のゲートを目指さないといけません。
まあ雰囲気でわかりますなこれは。



街を出るとひたすら何もない



制限速度は首都高部分は70とか90とか110とかが表示されていましたが、郊外の 高速に入ると「130」て書いてあります。その下に「雨の時は110」という絵。
全線3車線でアップダウンも緩いしカーブもほとんど無いし、らくちん。
USの高速よりなんか楽に感じます。
オーリスにはちゃんとクルーズコントロールが付いていたので、GPS実測125km位 に設定してひたすら勝手に走ってもらいます。らくちん。


やっと食事

朝飯ヌキで出発して、飛行機でクロワッサン1個もらったけどそれっきりです。 パリを脱出するのに予想以上に時間がかかりました。

順調に走り出した最初のサービスエリアみたいなところで休憩、食事にします。 時刻は12:00前になってます。



GSの他、こんな感じのお店がありました



中身はレストランとファストフードみたいな店、コンビニみたいなの。
ファストフードみたいなところでは、だいたいサンドイッチくらいしかありませ ん。ハンバーガーは普通はありません。
サンドイッチは、いわゆる「サブ(マリン)」タイプので、フランスパンに具が 挟まってるのね。ジュネーブでもまあ似たような文化なのですが、このサンドイッ チ結構うまいんですよ。フランスパンなのでパン自体の味が豊潤で、一個食べれ ばそこそこ腹いっぱいになるし、細長くて腰があるので片手で持ってかじるのに も好都合。
サンドイッチじゃなくても、実際に街でただフランスパンを片手に持ってかじり ながら歩いているような人も見かけるんですが、日本のおにぎりみたいな感覚で、 すごく一般的なファストフードなんですね。

ルマンに着いたら果たしてまともに食べ物にありつけるかわからないので、サブ サンド(仮称:そういえば本当は何ていうんだろう?)の他に水やポテチなぞを 買っておきます。運転用のガムとか。


ルマン到着

それでも前日なのでまだ移動困難という状況ではありませんでしたが、小さな町 のさらに外れとしては尋常じゃない繁盛ぶりです。路駐がぎっしり(まだところ どころ路駐化)あちこちにテント。
ストレンジャーはちゃんとした駐車場を予約しておいて正解です。
まず、地図を見て迷いながら、多分この辺の駐車場を予約したんじゃないかな? 的な場所へ。しばらく迷って行ったり来たりしていましたが、適当に入口らしい ところ突入してオフィシャルっぽい青いのを来た人に予約の紙(チケットではな い)を見せて「チケットは何処で買うの?」て聞くと、「ここじゃない、あっち のミュージアムの方」て教えてくれました。フランス語なので、地図見せて指さ してもらって。
できるだけ情報はプリントアウトして持っているのが正解ですね。
とりあえず最初に行くべきところはわかりました。ひいこらと移動し、次はサー キットの正面入口らしいところ。「その橋を潜って左のビルに行って!」はーい。
ビルの近く。「次の入り口がそうよ!」めるしー。
次の入り口。「チケット買う間はここに駐めて!」めるしー。

聞きまくりでようやくチケット売り場に到着。
案内看板とかはお世辞にも親切とは言えないけど、青い服のオフィシャル(ボラ ンティアさん?)は要所要所に居て、英語はロクに通じないけどみな親切に案内 してくれます。この調子なら最低限行き倒れることはないですね。安心。

チケットと駐車券をゲットして説明して貰うと「ロトンデ駐車場」だと仰る。あ れ?黄色のエリアじゃなかったっけ?
そうだ、予約の時、一番遠い黄色エリアの他に、一番入口や街に近い赤エリアの 中で一カ所だけ空きがあってそこを押さえたんでした。
ロトンデはチケット売り場(エキスポセンター)の目の前。出口で「ロトンデど こ?」て聞いたら「そこよ」て目の前の大きな空地を教えてくれました。
まだ全然人来てないじゃん。



駐車場はまだガラガラ



駐車券をフロントガラスに提示しときま す



近いと言ってもサーキットは結構遠く。 1km以上歩きでんな。



飛行機が8:30にパリについて、そこから西南西へ200kmくらいだから、順調なら 昼頃ルマンに着くのかと思っていましたが、とんでもない。パリを抜けたのが 11:00。駐車場に落ち着いたら15:00ですよ。まあ余裕のあるプランにしておいて 良かったということです。(最初が綱渡りでしたが)
そして荷物を探索モードにまとめていよいよサーキットへ。



遂に来ました!サルテサーキット!



コントロールタワーにロレックスの時計!
残り時間は24:00:00!



わしの中では聖地みたいなもんです。
サルトサーキットというのが(最近は)正しいようですが、わしは古い人間なの で「サルテ」の方がしっくり来ます。綴りは「Circuit de la Sarthe」(シルキュ イトゥラサルト)フランス語にはTHの発音は無い(そもそもH無視)ので舌は噛 まなくて良いです。

普通のレースでは前日は予選やらなんやらでもっと騒々しいのでしょうが、ルマ ン24時間は前日には何も予定がありません(予選は水曜日)。人はそれ なりに居るもののコースに車は無く静かなものです。
ピット前まで見に行くことができます。各チーム最終の作業に余念がありません。


優勝候補のAUDIのピット



もう一つの優勝候補PEUGEOT



密かに最近のモータースポーツ事情は実は全然知らないのですが、少なくとも日 本勢は全滅ということは知ってます。
ワークスはもちろん、プライベートチームでも出場は無し。
そんな中、日本製エンジンを搭載するチームはそれなりにあることを初めて知り ました。(ようやく詳細なエントリーリストが手に入ったので。WEBではそれさ えも見つからず)
TOYOTA、NISSAN、HONDAのエンジンは、走ります。頑張れ!


その後、サーキット内の出店やなんかをちょっと見て、本当は本日中にある程度 サーキット内の土地勘を掴んで、どこに何があるか、見物の穴場スポットなんか を押さえておきたかったのですがあっという間に16:30とか。
急いで市内に行かないとパレードが見れないよ!

レースより、実は今日のパレード見たくて来たんだから!

急いでトラム乗り場に向かい、市内を目指します。


ルマン市の中心街へ



ルマンのトラムは橙色!



特設券売所で往復券2.7ユーロを購入。多分今日しか乗らないですし。

今日来ている客は皆パレードも見るはずなので、トラムは終点のANTARESから 満員です。街の中心に向かって行くと、街の人々が奇異の目でトラムを見ます。 こんなに混雑することなんかこの日以外にあるわけがないのでしょう。
通常の生活をしていてトラムに乗ろうと駅で待っていた人たちは満員で乗れなく て困っています。今日こうなることは解ってるはずですがね。
或いは東京の人間の感覚だと「まだまだこの倍は乗れる」んですが、こちらの人 々は車内で詰合せることもしないし、無理に乗ろうともしない。良いのか悪いの かは何とも言えませんが、日本がガラパゴス的に発展したのって、こういうとこ ろで知らない人達が協力して全体最適を目指そうとする(そうしないとニッチもモサッチ もいかない)というのが染みついてるてのが根底にあるんでしょうね。



リピュブリック広場も大混雑



事前にトラムの路線図とかはチェックできなかったので何処で降りたらよいのか 全然わかりませんが、人の流れについていくとリピュブリック広場に着きました。
写真で見るとまだまだ空いていますが、結構な繁盛ぶりで、ビールとかを売る露 店がいくつもあって既に出来上がっている人たちが騒いでます。

改めて地図を出すと、パレードはここも通るようですが、スタートゴール地点は ここではありません。去年の動画を見ると、スタート地点では実況等もある見事 なイベントになるようなので、大混雑覚悟でスタート地点を目指します。



結局、スタート地点が見えるほど近い沿 道に陣取りました



向うに見えているカテドラルの前のジャコバン広場がスタート地点です。
ここならスタート地点での実況も聞こえるし、そこからパレードとなって走る車 両の通過も見れます。ただ、かぶりつきはとても入り込めないので、建物側の柵 に乗ったくらいです。実際のコースはよく見えませんなあ。


本日のハイライト

わし的に。
MAZDA787Bが走るところ見に来たもんで。あとはレースとか密かにどうでもよく て、全体の雰囲気を楽しめれば良いのです。

ジャコバン広場でMAZDAを紹介するアナウンス。そしてロータリーの音が聞こえ 始めます。そろそろ来るらしい。

ボード持ったギャルを乗せた先導のハーレーが通り過ぎ、広場から派手にアクセ ル煽る音が聞こえます。

プオンプォーンプォプォプォ・・



ビュン!



おわり。

人の隙間から橙色の何かが物凄い勢いで通過したのがちょっと見えた、だけ。
こいうパレードでそいう走り方しちゃうの!?

数分後、もう一周するらしい。(一周目は寺田陽次郎ドライブ、二週目はデビッ ドケネディドライブだったそうな)


びゅん!



おわり。


パレードその後

その後、もう一つの目玉のGulf Ford GT-40がガオガオと走り、後はスーパーカー とかクラシックカーとか出場ドライバーとか、最初の内はどこぞの大晦日のヤン 車+ギャラリーと大して変わらない雰囲気。その内地元のブラスバンドとかだんだん ただの夏祭りっぽい感じになって、何でもかんでも延々と続きます。

MAZDAが走ったら後はどうでもいいので、さっさと人垣から外れてジャコバン広 場の方へ。


MICHELINの山車。



出発待ちのバトントワリング。



このチビッ子も出るらしい。


パレード終了後

パレードは18:00-20:00の予定でした。20:00過ぎてもリピュブリック広場側は全 然パレード終わる雰囲気じゃありませんでしたが、どうやら出発地点のジャコバ ン広場は終了しているっぽい。
お片付けモードのMAZDAブースで出待ちといきますか。



ばっちり場もバラけて、近づけます。



Mrルマン寺田陽次郎に握手してもらいま した




優勝車両のドライバーではないのですが、マツダワークスのロータリードライバー と言えば片山、寺田、従野トリオ。密かに1988年Fuji500kmの時の寺田のサイン を持っているんです。というかこの世界に引きずり込まれたきっかけの一つです からやっぱりわし的にはルマン=寺田陽次郎なんですよ。


周りはすっかり静かになって来ても、MAZDAの周辺だけ客がなかなか捌けません。 もちろんわしもその一人なんですが。
でもMAZDAが片付かない本当の理由は客よりもMAZDA関係者が盛り上がって一生懸 命いろんな写真撮ったりしてるからのようにも見えました。



すっかり静かになったジャコバン広場を 後にします



まさか日本以外にもあるんです。明るい 家族計画。


サーキットへ戻る

トラムに乗るにはまたリピュブリック広場へ戻らないと。
広場では酔っ払いが大騒ぎしています。
こちらで飲んでいる人を見ると、何も食べてないんですよね。店もツマミらしい ものを置いてないので、皆カラ飲みです。そういうものなんでしょうか。
トラム乗り場も大混雑。日本人と違って並んで乗る文化は持ち合わせないので、 乗るだけでも大変そうです。トラムの一駅は近いので、広場の次の駅まで歩いて 空いているトラムに先に乗りました。大正解。

ここであることに気づきます。


酒飲んで暴れているのはどうもイギリス人ばっか



サーキットに向かう車でもドーバー海峡越えて来たらしい右ハンドルの車がかな りいますし、駐車場でもイングランド旗を掲げてキャンプしてる人が多いこと。
ルマンて伝統的に結構そういう雰囲気なのかもしれません。英国車が遠征にやっ てくるのを大陸の車がどう迎え撃つか、みたいな。真相はわかりませんけど。
わしが狂っていた1990年前後では何しろJaguarが最有力チームで、それ以前の長 い間の覇者ポルシェと復活してワークス体制で挑むメルセデス、BMW、それに地 元の雄プジョー。その他プライベートチームと日本車。みたいな構成でした。
Jaguarは最近影をひそめていますが、英国勢では今年はAston MartinとLOTUSが エントリーしてます。



22:00を回りようやく暗くなってきまし た。



トラムは終点ANTARESのひとつ前Guetteloupで下りた方が、わしの向かうROTONDE には近そうなので、 そこから歩きます。ユノディエールへの入口テルトルルージュ辺りのエントラン スから再入場し、サーキット内を歩いて駐車場まで2kmくらいあるよなあ。

駐車場に戻ったのは11:00頃。朝早くから全開モードで活動してたので疲れまし た。
車で荷物を整理し、寝床を作ってお休みなさい。



ITOH Osamu/ Sachi/ Guest Book/ 036@itoh.gentei.org