RZ号復活への道

5.カウルの部


また直す羽目になるとは

 51Lのフロントカウルは絶版なのだ。ましてやYSP仕様ソノートカラーのなんて。。
 実は前年の4月にもぶっ壊してFカウルとタンクは直したのだった。その時は黄金週間を丸々ぶっ潰して結構きっちりやったのだが、今回は手抜き。 だって早く乗りたいんだもーん。

 てことで、このページは写真だらけ。あまり詳しい説明は要らない砂。

段取り8分

 前回は欠損部分があったので必然的に大掛かりになった。穴FRPで埋めなければならないし。
 でも今回は取れた部分すらなく、大きいながらもヒビのみ。これならヒビに接着剤を流して、あとは裏側から補強をするだけで済むのです。
 と、理屈は簡単なのだが、実際には結構難しい。というのは、純正のカウルは接着剤や塗料との相性が抜群に悪いのだ。塗装面の下には本来白ゲルコートがされていてこれのおかげで塗料が良く載っているわけだけど、今回のようにガタガタになってしまうと、地までやすらないと平らにならないし、いずれにしても大変なのだ。まあ、気にしない。なんと言っても今回は手抜きだし。

 で、使用するのはそこらで売ってる一番ちょろいFRP補修キット。白色のエポキシ樹脂とグラスクロスが入っている。
 本格的にやりたい時は必要な面積のグラス(または好みでカーボンやケブラーなど)と表面用の不織のやつ、厚みを出すためのなんちゃらとかに、染み込みやすいエポキシ樹脂を別に揃え、必要に応じて顔料を混ぜ(しないか)たり、凝る人は雄・雌型を作ったり真空ポンプで引いたり、釜で焼いたり、いろいろするんだろうけど、今回は手抜きだし(しつこい)。

 あとは、脱脂用にアセトン。アセトンてちゃんと脱脂できるんだっけ?忘れ。これは前某所からかっぱらって来た。だはは。
 塗装の下地のサーフェィサーはカー用品のスプレーのやつでOk。
 問題は塗料で、バイクの色ってのはそう簡単には出せないのだ。この水色は、いろいろ調べたところ白とコバルトを1:1で混ぜた色がかなり近いことが判明。でもスプレー塗料で売っている色ではない。カッティングシートでは同じ色を発見した。サイドカウルとか比較的平面に近い部分では使えそうだった。
 おっと、また脱線した。結局、プラモデル用のアクリル塗料(シンナーを使うやつ。最近は模型屋に行ってもなかなか手に入らなくなって来た)の白とコバルトを買って混ぜた塗料を小さな刷毛で塗るのだ。せめてエアブラシが欲しいところだが。
 なぜ溶剤性のアクリル塗料にこだわるかと言うと、乾燥後の皮膜が比較的強くて、磨くことが出きるからなのだ。もちろん、ちゃんとしたウレタン塗料を使えればいいのだが、これは素人ではほとんど無理に等しい。
 上からウレタンクリアを吹くという手もあるが、これには全面綺麗にしなければならないし、今回はヒビの周辺だけを簡単にやるので考えない。

で、作業。

 もう写真のまんま。
 一番大変なのはやはり仕上げなのだが、その為にはいかに下地を綺麗に作るかに尽きる。徹底的に綺麗にペーパーがけをしよう。サーフェィサーを吹くのはわしは物凄く大変だと思った。まず、スプレーの鉄則で、よく振る。ひたすら振る。そうしないと塗料が均一にならないし、小さな固まりが飛び出してきたりする。
 それから缶を暖める。暖めることで塗料を柔らかく、滑らかにし、また吹き出しの圧力も上がって粒子が細かくなるのだ。

 その後、「たれる寸前まで分厚く吹き付ける」と、識者は語るんだが、これがちと無理。たれるギリギリまで吹くのは簡単なのだ。しかし、これでは綺麗に仕上がらないのだ。
 分厚く吹くと必ずと言っていい程、層内に小さな気泡が入る。そして、次の工程のやすりがけでボツボツと出てきてしまうのだ。この穴はその後容器に溜めたサーフェィサーを筆で盛り付けて補修するものらしいが、結構やたらに入るので最初からできるだけ押さえる方がいいに決まってる。

 じゃあ、どうするか。薄く塗るのだ。全体がうっすら隠れたら乾燥させる。次の吹き付けは次の日。というくらい時間をかける。
 絶対熱で乾燥させてはイケナイ。なぜならば、熱をかけると乾いてない塗料中の溶剤が沸騰して気泡を生成したり、地のプラスチックが熱で膨張して、折角の補修箇所がまた段差になってしまうのだ。わしはこれで失敗した。

 最後に塗装前にまた細かいペーパーで表面を綺麗に作り直すのだが、その前に、サーフェィサーは1週間以上乾燥が必要。一晩も置けば乾いているように見えるのだが、芯まで完璧に固まるには相当な時間がかかるものらしい。
 だから、外装の補修は最後の作業になりがちだが、一番最初に手を付けた方がいいのだろう。

 最後に水色塗料。前回の補修で作った水色の残りを刷毛でスラスラと塗っていく。柔らか目の塗料を多目に付けてスーと長く伸ばすと刷毛目もほとんど付かず綺麗に仕上がる。何度も塗っていると下のサーフェィサーがまた溶け出してグレーに濁ってくるのでさっさと済ませ、あまり撫でないようにする。どうしても下が透ける時には、十分乾かしてからもう一度塗る。のだが、前回の残りだったので途中でなくなって、透け透けで終わってしまった。
今回は手抜きだから気にしないのだ。

 下の白の部分の塗装や、紺色のラインをカッティングシートで補修とかもすればいいんだけど、面倒臭いからこれで完成。


FRP補修剤.色々なモノがあるが,今回はグラスクロスまでセットの一番安いやつ.


カウル割れ.ヒビを接着し,段差をペーパーがけで取る.


裏側にFRP補強を入れるため,アセトンで脱脂.


FRP補修剤の樹脂を混ぜて練り,ヒビの周囲に塗布.


そこにグラスクロスを貼る.写真じゃわからん.


すべての補修箇所に.今回はそれぞれ2層に積層.いいかげん.


表は傷を埋める用にFRPの樹脂だけ盛る.


ツライチにペーパーがけ.


マスキング.


下地塗りのサフェーサー.すぐ気泡が入り失敗する.


さらに細かいペーパーで面を出し,上塗り.


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